AUDI TT 2.0に乗る |
この日は快晴のもとAUDI TTの試乗に出かけました。
担当の方に連絡して事前にクルマ(この日は2.0Lターボモデルに決めていた)を手配していただいておく。
まず、以前いただいていたカタログで大まかなスペックを確認。
AUDI資料より
TT Coupé 2.0 TFSI ¥4,400,000(消費税込み)
<主要諸元>
○ボディサイズ :全長4,180mm/全幅1,840mm/全高1,390mm
○エンジン :直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ
○総排気量 :1,984cc
○最高出力 :147kW(200ps)/5,100-6,000rpm[ネット]
○最大トルク :280Nm(28.5kgm)/1,800-5,000rpm[ネット]
TT Coupé 3.2 quattro ¥5,740,000(消費税込み)
<主要諸元>
○ボディサイズ :全長4,180mm/全幅1,840mm/全高1,390mm
○エンジン :V型6気筒DOHC
○総排気量 :3,188cc
○最高出力 :184kW(250ps)/6,300rpm[ネット]
○最大トルク :320Nm(32.6kgm)/2,500-3,000rpm[ネット]
ディメンション的に気になるのが4,180mmの全長に対して1,840mmもある全幅です。
これはA6の1,855mmに迫る大きさであり、ライバルとアウディが考えているポルシェのケイマンを40mmも上回る寸法なのです。
ちなみにBMWのZ4は1,780mmとボディーデザインの割には小柄だと言えます。
そして記載は無いが2.0、3.2は共に1.340kg、1.470kgと軽量に仕上がっていますが、これはひとえにアルミ製パーツの投入によりなし得たものだと説明されています。
ちなみに同じスペックのVWゴルフGTIが1.460kg、R32が1.590kgですから、ほぼ100kg程度のダイエットに成功している事になりますね。
<乗り込んで>
さて、閉所恐怖症になると言われるコクピットに座り込んでみます。
ドアが長く重いのはクーペの特質といえばそうですが、コンパクトなボディーの為、事の他気にならないのも事実。(実際には車幅のせいで辛い事はあるでしょうが)
エンジンキーは今やオーソドックスな差し込み式。
小さな事だけれど同じグループのVWと少しプレミアム性の差をつけて欲しいところ。
わずか2.0Lのエンジンは、キーを捻ればこともなげにあっさりと始動し、粛々とアイドルする。
ここのあたりはさすがにプレミアムブランドを標榜するだけの事はありますね。
ライトを点灯して、伝統の“真っ赤なメーター”を・・・あれ?白くなった。
昼間のレタリングは白くても、点灯で赤くなると思いきや“白”。
彼の地では赤の色が精神的な高揚感を助長してしまい、速度や走り方に悪影響を及ぼす可能性が指摘されているだけにこのような対処をしているのか?。
少し寂しく感じながら、全くのオートマレバー(S-tronicと呼ぶ)をDに入れてそろりと発進。
<一般的な乗り方の範囲で走行>
交通量の多い環状線へ、案内の指示に従いそっと踏み出す。
路側帯の縁石を“トントン”と軽くしなやかに降りる。新品のスニーカーを降ろした感じ。
ステアリングを切るや否や即感じた事はパワーステアリングが思いきり軽いことと、変形ステアリング(下の部分が削れてる)のおかげで回転位置がつかみやすい事。
軽さの理由はBMWやHONDAの様な可変ギアではないけれど操舵力は可変で、低速で軽く高速で重いセッティングであるとセールス氏。
個人的にはBMWのそれよりナチュラルで好ましく思えましたけれど個人差があるのかもしれません。
現所有車(ミニクーパーS)がことさら重さを前面に出しているのを心地よく思っていない自分としては快適で良いと思います。
以前乗ったGOLF GTIのDSGは発進でのクラッチミートが唐突で、自分がへたくそになったような記憶があったがこれは明らかに違う。
すんなりと、あっさりと綺麗に繋がるところが嬉しい。
セールス氏によれば『VW社のものとは呼び名も違います』と意味わかんない事言ってるけど実際にはその細かい制御や電子部品に改良が加えられていることは間違いなさそうです。
これならうちのかみさんが適当に乗っても大丈夫!そんな感じ。
60〜70kmで流す環状線では至って平和なクルージングでセールス氏との会話も弾む。
閉所・・・と言われる室内も、176cmの彼とのランデブーも広い室内幅のおかげで一向に気にならないことは望外。
運転席からの視界は天井、各ピラーがブラックアウトされているせいか閉所感もさほどではなく感じられて左右、特にドアミラーの視界が良いのは嬉しいかぎり。
ペダルレイアウトの違和感が無いのは気にもならなかった事から察する事が出来ますが
各ペダル類(ABのみ)も軽く、操作感覚は軽い。
いつもの試乗コースのフル加速ポイントで一気に(7割程度)加速。
6段もあるギアが何とも自然に繋がっている事が実感出来る感じ。というより無段階変速といっても過言では無いですね、これ。
エンジンノイズのたぐいはラグジュアリーとスポーツの間くらいで、可憐なおお嬢様を乗せたとしても会話が途切れる事は無いんじゃないでしょうか。(MINIははっきりいってウルサい)
手元のパドルでカチカチやるとDレンジでもブリッピングを伴ってシフトダウンするからエンジンブレーキも緩やかで穏やかな効き心地。
徹頭徹尾平和な、というか非常によく躾けられていると実感出来るクルマ。
OPの17インチも路面からのショックを完全にとはいわないまでも“クーペ”の範疇にとどめているといえます。
ミニマムとは言え後部座席があるのはZ4に対して絶対的なアドバンテージ。
よく見ればデザインは(いろいろ言われてますが)悪く無いどころか、むしろ良いと言えるのじゃないでしょうか?
なにより小さいのが良いですね。
SRに戻り、在庫や車体色、内装色をあれこれサンプルを参照しながら検討してみましたが、2.0Lの内装色はブラックに対して赤革が設定されている以外は全て黒のワントーン。
ベージュやグレーと言うしゃれた色が選びたければ3.2をどうぞというものだったことは以前のモデルから変わっていません。(モデル末期に登場する事はもはやお約束?)
さて、17インチアルミと革内装のセットで50万円のエクストラで490万。
諸経費込みで560〜570万円(素の状態で500万強)、600万でおつりが来ると言うこの車。
本格的に検討段階に入ったら3.2の“マグネティックライド”はぜひ試しておきたいですけれど、暫くはあのFF2.0Lの“軽やかさ”の感覚を大事にしたいと思います。
さてさて、どうでしょう?
わたしは結構“ぐらぐら”してます。この2リッターターボ。