シトロエンC3 Vol.2 |
内装からその走りの話へ行こう。
ハンドル型のレバーをぐっと引いてドアを開ければ明るいグレーの室内が目に呼び込む。
印象的な丸いエアコン吹き出し口。
左右とセンターにそれぞれ二つずつ。
特にセンター部のそれは上に向かって“力こぶ”が突き出す。
この造形はイタリアの名門“マセラティ”を彷彿させる。(ほめ過ぎか?)
“くるっ”とした半円形のメータークラスター中にこれに添った形での半円形の回転計。この中に四角くデジタルのスピード表示。
小さめのステアリングの隙間から覗けるこじんまりしたかわいらしいものだ。
ちょっと荷室でおもしろいものを発見したからアップしてみる。
黒い折れ曲がった板。これを伸ばすと・・・
荷室を上下に分割できるのだ。
このあたりは国産のワゴン車などには見受けられるが、これほど“がっちり”した作りのものは見た事が無い。
まあ、裏を返せばおおげさとも言えるが。面白い事を考える人たちだ。
ここらあたりは『技術よりアイデア』『完成度よりオリジナリティ』のシトロエンの一部をかいま見るところか。
さていよいよ乗車。
シートの位置をペダルと合わせたらステアリングだ。生意気(?)にも上下のみならす前後の位置調整が可能なものでぴったりの位置が得られる。
ここらあたりは今や家族で乗るための必需品とも言える。
これは“プレミアムコンパクト”を標榜している“mini”には未装着だが・・・
発進のためにウインカーを右に。『ポッコン ポッコン』
ウインカーの音にもオリジナリティーかよ!!かわいいけどね。
ちなみにホーンはというと『ぷ〜〜〜っ』
いらいらしてついならしてしまうホーン。
これを聞いた運転手は軽い“癒し”をこの音から与えられるるだろう。(と考えてる)
この車はいわゆるオートマティックでご覧のようなポジションを持つトルクコンバーターに4段ミッションを組み合わせたものだ。
最近流行の+−を備えたもの。いっちょまえなのだ。
これをDレンジに入れて発車!ブワン!
Nだ!
う〜ん、この後も時々起こしてしまったがシフトミスっていうかゲート間違い。
どうやらスタッガードゲートの間隔が小さくてミスゲートしやすいのかも知れない。
エグザンティアに乗る身としてはいささか不可解だ。
前を見たままでもシフトできる必要があるはずだからちょっと疑問。
今度オーナーの奥様に聞いてみたい。
気を取り直して走り出せばいたって普通に走行する。あたりまえだが。
一般道を一路都築インターへ。
この間、『初めての車』としての癖などは一切無く、同乗者との会話に花が咲く。
高速道路に入ってもこの印象はかわらない。
『生活のパートナー』としての性格を一切はみ出さない性格。
あくまでも“機械よりも家族”。
子供がいたら必ず“・・・ちゃん”と名前をつけるのだろう、きっと。
朝比奈で下りたらちょいと山道だ。
右へ左へつづら折りを上っては下る。
ここでも素直なハンドリングに好感を抱く。
ただし、全体的に“ゴムッ”とした感覚がある。
ステアリングの切り始めとか戻し始めとかに一種独特なフィーリングが発生するのだ。
これは“ハイドロ車”ではもっと大げさに発生する“ゆらゆら感”と似ている。
あっちがオイルならこっちはゴム。
帰りは助手席に座らせてもらうが(オーナー氏の運転)この印象は変わらなかった。
良いとか悪いではなくこの印象はやはりシトロエンである。
『何気なく暮らすフランス娘。その経済感覚の中にはじける個性を秘めている』
いえばこんな感じ。
また普通の女の子なんだけど『好きな男には告白させるの!絶対に!』みたいな気合いも感じる。(意味わかりにくいと思うけど)
そんな家族を増やしたい人にはうってつけの一台である事は間違いない。
あくまでフランス車たるものは走って、つかってみないとわからない感覚なんだけど・・・