アルファロメオの悩み |
彼の乗るアルファ166でゴルフへ出かけてきました。
黒に近い濃紺のボディは流石のデザインです。
並みいるセダンとは別格のデザインコンシャス。
内装は(かすかにグレーがかった)真っ白の革製。
“寝起きでやってきた伊達男”というマスクに愛嬌があります。
“彼”とは20年来の“知り合い”のクルマ好きの一人です。
6年程職場を共にしたいわゆる元同僚。
好みは違えどお互いの所有車は認め合う仲。
かつてはFC30を2台乗り継いだスポーツカー好き。
一時は同じ車(エグザンティア)に乗っていた次期もありました。
彼は初期型セダン。僕が後期型のブレーク。
そして今はまたお互いに違う路線をばく進中と言う訳です。
話がそれましたがこの166です。
3.0Lのアルファオリジナルエンジンは発進から『グフォーーー』と勇ましく吠えます。
しかし速度が上がるにつれ『フォーーーー』とオトナシくなって行って100Kmあたりではすっかり他の音にかき消されてしまいます。
140Kmでの巡航時も快適さは維持されています。
2セットめのタイアとして彼が選んだ“レグノ”は一層ノイズの無い世界に誘っているようです。
思わず『ラクシュアリーセダンだね?』と口をついて出てしまったほど。
『ステアリングは案外クイックなんだよね』と彼。
“スポーティーセダン”と言わなければならなかったの?。
フルスロットルを与えたのは一度だけ一般道の合流でのことでしたがお世辞にも“速い”とはいいかねますし、今回出会えなかった峠を攻めたらその肢体に似合わない俊敏な回頭性が浮上すると聞いていますが今回のルートにはありませんでした。
やはり“高速ツアラー要素の強いスポーティーセダン”が正解かなあ?という茫洋とした印象だけが残ってしまいました。
一体なんなんだろう・・・あれは?
もやもやしたまま車を降りて自分の車に乗り換えても疑問は消えません。
諸経費込みで700万円になんなんとする自動車が“デザインだけ”というのも理解出来ないし。
同価格帯にはBMW5シリーズやメルセデスEクラスが鎮座する激戦区。
ジャガーならタイプSがある。
日本車に至ってはレクサスGSのトップグレードをがっちりゲット出来る(まあ、これは別種と考えますが)。
“アルファロメオ”に対する期待が大きすぎたせいもあるとは思うけれど、緩いボディーと路面のコンタクト感は最新のセダンの出来とはお世辞にも言えないし、プジョーやシトロエンなどに感じられる“個性的な乗り心地”も散見されないから謎は深まるばかり。
その上、残念ながら感激レベルに至らない内装デザインなども日本での販売不振に拍車をかけたのでしょうか。
ブレラあたりに触手を伸ばそうとする我が気持ちに“まった”がかかる。
はたしてこれは今迄の、あるいはドイツ的価値観とは遥かにかけ離れたところにあるものなのではないだろうか。そしてちょっとやそっとで判りかねる奥深いものなのかもしれないと考え直したりもする(行ったり来たり)。
そして今回159やブレラが巷間言われている“ドイツ車感覚のアップ”が販売面においての重要な要素だと思い至ったと同時に、アルファらしさが薄まったとしたらやはり何かあるはずだ。
所有して、毎日接した者だけが得られる目に見えない“シックスセンス”があるのかもしれないのです。
ちょっと判りかねています。わたし。
ROCKETWITERさんの記事も気になります。