アルファの“どっちもどうでしょう”対決 |
先日顔出しだけでお邪魔していたアルファロメオ田園調布に試乗を依頼したら快く受けもらえたのでちょい乗りですがインプレを入れておきます。
まず電話で確認です(基本ね)。
『あの〜〜、159とブレラの試乗車ありますか?』
『はい、両車ともございます。』
『159は2,2でブレラは3,2、共に左ハンドルのマニュアル6Fになります。』
『じゃあ、両方いいですか?』
『はい、それではご用意してお待ちしております。』
と丁寧にうけたまわっていただきました。
ぶ〜〜っとミニを走らせる事10分程で到着し、以前停めた覚えのある駐車場にクルマをすべりこませる。
そこは来店者専用の駐車場。あたりを見回す。
“アルファ147” “BMW Z4” “ホンダインテグラ”が停車している。
なるほどなるほどこういう人たち(が、興味があるのか)ね。
強化ガラスのドアを開け美人受付嬢に先程の電話の要件を伝えて担当者を待つ。
店内は手狭だがとても綺麗に出来ている。2Fが商談室(のよう)だからクルマをじっくり見る事も出来る。
(幸いにも)おせっかいな営業マンも居ないから展示車をドタンバタン(ドア開けたり締めたり乗ったり)しながら見る事が出来る。
166ちょっと顔変わったね。
へえ〜〜三連ランプにそれぞれのヘッドライトウォッシャーがねえ。
目地の段差はあいかわらずかなあ。
フェンダーのラインは素晴らしいねえ。
ちなみにここは直営ではなくて、CM社が経営する代理店だと思う(むかしからそうだった)。
『いらっしゃいませ、こちらご試乗いただけるクルマです。』
見ると漆黒の2,2がリアから入ってきた。
ささっと左側のドアを開けたかと思うと営業氏『どうぞ!』という。
ほんじゃま失礼して・・・乗り込んでシート、ルームミラーを手動で、サイドを左ドア部のコントローラーであわせる。まったくもってグローバルポジションにそのレバーやスイッチは配されていて難なく(説明する氏をよそに)完了した。
そして一息入れてその空間とシート、メーター類のフィット感に感心する。
眼前に展開されるクラスターやセンターコンソールの景色はまぎれも無く(最近の)アルファだ。
しかしいささか寂しいのはメーターランプカラーがお得意のオレンジではなく白に変更されている点。
『セダンだからですか?』の問いに
『いえ、ブレラも同じだと思います。』と氏。はたして後で乗ったそれはやはりそうだった。
さて、風のように軽いクラッチ(マジで軽い)を踏んで軽くて短いタッチのシフトを手前奥の1速に入れる。
客観的に言って手足の短い私は思わず氏に聞いてしまう。脚がつりそうである。もう一段シートを前に出しながら・・・。
『クラッチペダル深いですねえ、奥半分は遊び代ですか?』
『いえ、そうでもないみたいです。』
右ハンドルは(特にガイシャFF車の場合)一般的に脚が近くて手が遠い。
さすがに左ハンドルは足下が深くてよろしい。などど思いながら軽くブリッピングしながらクラッチを繋ぐ。
“ウインウイン(・・ンンンン〜〜”言われた通り結構奥で繋がっちまう。仕方が無いからそのままアクセルを踏み込んで加速に移る。
“ウイ〜〜〜ンンン”2速“ウイ〜〜〜〜〜〜ンンンン”
感の良い方ならもうお判りでしょうが1速2速ともレブリミットに当たってしまってるのですよ。あれあれ〜〜?
185psの可変バルタイ(ツインフェザー)付きのエンジンはあまりにもスムーズに加速して、っていうか盛り上がりのかけらも見せないまま6,500回転のレブにぶち当たりフューエルカットのお世話になってしまってるのです。
これって?
日曜日の夕方の環八だから交通量は少なくは無いです。その合間をかいくぐって加速する訳ですから、ましてや不慣れ(久々)な左ハンマニュですから・・・良い訳を考えながら指定のルートを駆け抜けます。
クルマ自体は発進こそ多少もたつくものの車重を感じさせない軽快なもの。
峠はどうかは判りませんでしたが147より確実にロール量のコントロールが大人です。
ブレーキは一部のドイツ車のように“巌のごとく”は効きませんがさらっと効きます。
短時間だったので上手く言えませんけど“全てがさらっとした風のような”といった印象(ツインフェザーだから羽かな?)。
湿気や重さのたぐいが一切無いといったクルマです。
これを軽薄と呼ぶか“軽いイタリアンジャケットのよう”と呼ぶかは人それぞれとは思いますが個人的には嫌いではないです。
さて今度はブレラ3.2Q4に乗り換えます。
(ヨンクなんだよね、これ)
スカイウインドウでしたっけ?天井が明るいやつです(夏は熱いでしょうね)。
まあ、シェードが三段階に開閉するので大丈夫ですって営業氏が“ギューンギューン”ってやってくれましたけど。
先程と同じ要領でポジションを合わせます。今度はシートは電動になってます。
ですがこちらは着差位置が若干低いのか(まあ低いんでしょう)内装の色が暗いのか(黒です)、夜に近づいてきたのかすっぽり収まっちゃってる感じです。
しかしドア内張り形状の違いもあり“ぶかぶかの・・・”って感じです。不思議!
このぶかぶか感は走っても印象は変わらずで暫く乗っても慣れない感じ。
さっきの159は“すすっ”となじんだのに・・・・。
粛々と回るエンジンを一度切って(ボタン押して)キー抜いて、差して、も一度ボタン押して
“ドルル〜〜ン”お!やるな!!こちらもツインフェザーのV6。
『最初に言っておきますがクラッチが妙なクセがあるんです。個体差もあるとおもうんですけれど・・・』と氏。
ほんと、おっしゃる通り“バネバネ”してて繋ぎにくそうなクラッチをなんとか繋いで発進・・・
“ドン!”
ううぉ〜〜!カッコワル〜〜!!でもエンストしてないからいいか・・・
3.2LV6は軽々と・・・とはいえないおっとり刀系。
『さっきのクルマのターボ付きって感じですね?』って思わず助手席の氏に漏らしてしまう。
エンジン音はさっきと同じで、回せばあいかわらずの“ウイ〜〜ン系”で感動も爆発も無いです、ほんと。
脚が固められてる感じとインチアップは、恥ずかしながらほとんど判らなかったですが重たい物をよっこらしょって動かす感じは2.2とは決定的に違う。
重さがあだになった事実として(運転が下手と言うのもあるけどっていうか失敗したかも)シグナルGPでステップワゴンに勝てなかった事にはセールス氏ともどもあんぐり!
いやはや参りました。スタートダッシュの4WDだというのに思いっきりアクセル踏めなかった事も、パッとクラッチ繋げなかったことも原因ですが、この失態はやはり先程と同じ原因なんですよ。レブです、レブ。
何かこう自分の乗る今のクルマとギア比もそのエンジンの盛り上がりもぜんぜん違うんで、イメージだけではもっと回るものだと思ってしまって・・・いいわけですけど自分のクルマで峠飛ばしてもレブにぶち当たるなんて失態はほとんど無いんです。
言い換えればミニはトップエンドにパワーが無くてその部分1,000回転くらいは“余裕代”になっているとも言えるかもです。
それをこのクルマ(たち)はトップエンド迄スムーズに回る事を至上命令にしているんじゃないのでしょうか?その上スピード感は希薄ですからますます厄介です。
これは多分セレスピードじゃなくてトルコンがいいんじゃないかと思われます。
やれやれとクルマを降りてドアを閉めて改めて今自分が乗ってきたそのクルマを見て軽い衝撃。
“ち、小さい!!”
ええ〜〜?乗ってる時はあんなに大きかった(感じがした)のにこれって?
そう、そのぶかぶかなデカ物から降りたら小人だったみたいなMr.マリックも真っ青な演出は一体何処からくるんでしょうか???
デザインはオリジナリティーが溢れてていいですね。
しかしながら何度かアルファを体験してきましたが、今回の2台は“アルファ薄い度ナンバーワン、ツー”は決定です(と今は思います)。
悩ましい表情の私に、先のセールス氏『お客様は156か147のGT-Aがよろしいかと・・・』と、囁いてましたっけ。